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ガタン

とものすごい音がした気がした。

目を開けると列車の床を移る外の明かりが見えた。

ごめんなさい・・・

隣から声が聞こえて、私の足の上からうすい板を拾った。

プラスチックのその板は、随分よく鳴るようで。

ガチ

彼女が弁当箱の下にその板を噛ませた時も、また随分大きな音が聞こえた。

駅弁

プラスチック製の弁当箱は珍しい。

私も駅弁が大好きで、いつもいくつも買って列車に乗った。
今はおいしくて可愛い駅弁を思い出すことすら、様々な嫌悪感でいっぱいになる。

でも。今日はそのつもりもない。
別にどこへ向かうつもりもない。

ただ、30年間馴染んだ最寄りの駅から、一番遠くまで続く線路を選んだだけ。

こういう電車の場合、旅行者もいれば、日常的利用者もいる。

大半のひとがスマホをいじるなか、おっさんが読む週刊漫画さえも粋に感じてしまう。

そう。
じゃあ。
その粋という感覚を。
求める旅に出てみようか。。。とまた上瞼を落としてみる。

バキン

またものすごい音がして隣の女性が弁当箱をしまった。

そう。
では。
その目的を旅の先に置くのはやめよう。

イエスも神も信じないけれど、昔から啓示を信じてる。

日常の細かい出来事ひとつひとつその全ては、私に何かを報せようとしている。こちらが気を傾けさえすれば。

私自身から溢れる気やエネルギーや想いや迷いやそんな見えない伝導していくものが、何かを揺るがせ反応させる。その反応は素直に受け取るべきだし、大きな判断基準のひとつにすべきものだと思う。

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